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月と月暦/月への誘い

●月への誘い
●今、なぜ月?なぜ旧暦?
●「月と月暦」関連参考文献

●「月と月暦」関連サイト

・月を科学する
・月の起源説
・巨大衛星
・月の基礎データ
・月の動き
(月の公転軌道・月の傾き)
・月の自転
・月は遠ざかっている

●月の満ち欠け
・月の満ち欠けの原理
・月の満ち欠けとその和名
・月齢と月の満ち欠けについて
●月が見える方向
・夕暮れ頃に見える月
・夜明け頃に残る月
●月のいろいろ
・冬至の頃の満月の高度
・春三日月と秋三日月
・地求照
・月の時間
●月と天体ショー
・日食と月食
・日月食とサロス周期

月の潮汐力
・潮汐力の神秘(潮流)
・潮汐力の神秘(干満差)
潮汐力の神秘(タイダル・ボア)
・タイダル・ボアと津波
潮汐力の奥深さ
・月の潮汐力と自転軸
・火山と潮汐力
・潮汐力と海の浄化作用
・月のリズム
潮汐力と釣果
潮汐力と潮干狩り

暦について
・太陽暦の発見と改暦
・太陰太陽暦とは
太陰太陽暦について
太陰太陽暦と二十四節気
・太陰太陽暦と月名の決め方
二十四節気と季節感
太陰太陽暦と和風月名
太陰太陽暦と年中行事
・今年の旧暦の年中行事
お月見と月待ちの行事
・仲秋の名月
・十三夜と十日夜
・月待ちの行事
太陰太陽暦と六十干支
・干支と時刻法と方位

月と季節の暦(旧暦カレンダー)
月と季節の暦(バックナンバー)
月暦手帳(旧暦手帳)
●志賀勝先生の<月の三部作>

●乱暴な明治改暦
●西暦とのズレに悩む岩倉使節団
●福沢諭吉と『改暦辨』
●改暦以前の歴史年表の日付はすべて旧暦
・忠臣蔵
・本能寺の変
・天正遣欧少年使節団
・ヒュースケン襲撃さる
・和暦にあって西暦にない

・詩歌と月
・百人一首と月
●月言葉
・月を冠した言葉の数々



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月への誘い(月と月暦)

 古来より月は太陽と共に人類にとって最も身近な天体でした。伝説や神話に彩られ、様々な世界観をもたらし、近代天文学の発展のきっかけにもなってきました。
 東アジア、とりわけ日本人は、長く月を目印とした太陰太陽暦(日本では旧暦という場合が多い)を使用し、月見の習慣を持ち、その繊細な光、微妙な形や状態を豊かな表現力と創造力で生活に彩りを紡いできました。
 しかし、近代合理主義の浸透や都市化現象に伴う街の明かりが月に必要な闇を追放し、月は意識の中でいつの間にか省みられることが少なくなってしまいました。
 かくいう私も、1995年ころ「月と太陽の暦制作室」の志賀勝氏からお話をいただき、月暦(旧暦カレンダー・「月と太陽の暦」)の制作に関わるようになって、知っているつもりでいた月や旧暦について知らなかったことの多さに愕然とした記憶があります。そう、知っているようで知らないのが月、余りにも身近すぎて改めて省みることがないのが月、遅ればせながら月や旧暦を調べ始めました。今でこそウェブや書籍などで月や旧暦について書かれたものが目立つようになってきましたが、当時は資料を集めるのにさえ苦労したものです。それでも、調べるほどに月の持つミステリアスな面白さの虜になってしまいました。
 
 月への関心の有無に関わらず、衛星としては異例の大きさをもつ月は地球に対してさまざまな力を及ぼしています。
 そのもっとも大きな力は潮汐力で潮の満ち干や潮流という現象で具体的に教えてくれています。また、月の存在により地球の自転軸の傾き(約23.4度)が一定に保たれていることも分かってきました。もし月がなかったら、地球の自転軸は計算によると数百万年の周期で0〜50度も変動し、それに伴って気候も大きく変化し、生物が棲める環境にはならなかったとも考えられています。
 その他にも月のリズムや月明かりは自然環境や生命に対して少なからず影響を及ぼしていると考えられ、相応のデータの蓄積もなされています。ただ自然や生命は様々な要因によって成り立っているため、月の影響だけを取り出して証明することは至難の業で、その多くはどうしても科学的検証が進まないのが現状です。しかし、証明できないからといって、月の影響を疑問視するのは当たらないと思います。逆も真で、影響がないということを証明することもまたできないからです。

今、なぜ月?なぜ旧暦(太陰太陽暦/月暦)?

 月が静かなブームを起こしはじめた1990年代。その後、月は少しずつその存在感を取り戻しつつあります。それは人々が、進歩発展をがむしゃらにひた走ってきた現代文明の歪みや矛盾を感じはじめ、切り捨ててきた文化の中に、決して忘れてはいけないものを見いだそうとする動きであったり、本当の豊かさとはなにかなど、スローライフの象徴として月が注目されはじめたことを意味していました。
 また、月が見直されてきたことにより、月に関するデータの蓄積や整理も進み、改めて月の影響力の大きさや月が持つ時間の感覚などを見直す動きもみられるようになりました。

 さらには、<月の文化>への思いも高まり、突き詰めていくと月が主役の旧暦(太陰太陽暦)も、ひとつの文化として見直されるべきではないか、と月の満ち欠けを主役とした旧暦カレンダーが店頭に並ぶようにもなりました。現代、世界の殆どが世界標準暦であるグレゴリオ暦で動いているので、日常的に旧暦を利用するにはかなり力業が必要ですが、この旧暦を知ることにより、意識することにより、切れかけていた日本の文化伝統がつながりを持って私たちに新たな豊かさを実感させてくれるのです。
 逆に、旧暦をとおして月を観ると、案外忘れかけていた月の存在が鮮やかに甦ってくるのが分かります。まだまだミステリアスな月ですが、夜空の壮大な間接照明ともいわれる月、月暦(太陰太陽暦、旧暦)として長く受け継がれてきた古人の優れた知恵を通して、自然観や季節感の復権がなされていくことを願いつつ、月と月暦について考えていきます。
 皆さまのご意見、ご感想をいただければサイト運営者として、この上ない喜びです。

※当サイトは月や暦を専門的に紹介するものではありません。月やそれを基に作られた太陰太陽暦(月暦)をいかに楽しく、身近なものに感じていただけるか、という想いで制作しています。

※一般に太陰太陽暦のことを「旧暦」という言葉で代表し、ここには古い、時代錯誤、無用といった否定的なイメージが込められていますが、今でも立派に通用する人類の智恵です。このため、旧暦の伝道者達は「自然暦」(松村賢治氏)とか、「月暦」(志賀勝氏)と呼ぶことを提唱しています。また、「和暦」と呼んだり、「陰暦」「農暦」などと表記したりして様々ですが、当サイトでは<月と太陽の暦制作室>の志賀勝氏に倣って「月暦」と称することにします。しかし、文意上「太陰太陽暦」「旧暦」という表記を適宜併用しています。
※本文中、月暦(太陰太陽暦)に関わる年号・日付は漢数字で、西暦表記は算用数字で表記します。


旧暦の伝道者達
松村賢治氏  志賀勝氏

月と月暦(太陰太陽暦・旧暦)関連・参考文献

■月に関する参考文献
 『月と建築』 INAX出版
 『ニュートン別冊―月のミステリー』 教育社
 『月の本』 林 完次編・光琳社出版
 『宙ノ名前』 林 完次編・光琳社出版
 『月からのシグナル』 根本順吉著・筑摩書房
 『もしも月がなかったら』 ニール・F・カミンズ著、竹内均監修、増田まもる訳・東京書籍
 『月の不可思議学』 竹内均著・同文書院
 『月とツキの摩訶不思議』 斎藤悠貴著・総和社
 『月世界大全』 ダイアナ・ブルートン著、鏡リュウジ訳・青土社
 『日の出・日の入りの計算』 長沢工著・地人書館
 『百聞の一科事典ー月』 小学館
■月暦(太陰太陽暦)に関する参考文献
 『人は月に生かされている』 志賀勝著・中公文庫(品切)
 『新版 人は月に生かされている』 志賀勝著・新曜社
 『月的生活』 志賀勝著・新曜社
 『月曼荼羅』 志賀勝著・月と太陽の暦制作室
 『暦のからくり』
岡田芳朗著・はまの出版
 『江戸時代史』 三上参次著・講談社学術文庫
 『旧暦と暮らす』 松村賢治著・ビジネス社
 『続々と 旧暦と暮らす』 松村賢治著・ビジネス社
 『庵を結び 炭をおこす』 松村賢治著・ビジネス社
 『旧暦読本』 岡田芳朗著・創元社
 『暦の百科事典』 暦の会編・新人物往来社
 『満月と魔力の謎』 黒木月光著・二見書房
 『明治改暦』 岡田芳朗著・大修館書店
 「明治改暦の原因と問題点」 岡田芳朗著(『別冊歴史読本31』・新人物往来社)
 「世にも不思議な暦の物語」 釣 洋一著(『別冊歴史読本31』・新人物往来社)
 「月と暦 ほか二篇」 永田久著(『日本の名随筆58 月』・作品社)
■その他
 『話の大事典』
萬里閣
 『月の癒し』 ヨハンナ・バウンガー、トーマス・ポッペ共著、小川捷子訳・飛鳥書房
月と月暦(太陰太陽暦・旧暦)関連サイト
 月と季節の暦(月暦)

月と太陽の暦制作室が運営する月の輪を拡げる種々活動を報告

 

月の写真や撮影のヒントなど月についての基礎知識などおもしろ情報満載

 
暦に関する話題をさまざまな角度から掲載。旧暦〜西暦の変換サービスも。
 

月世界からの報告:Noonlight 月探索から月科学の情報満載。

 

萬葉集、古今和歌集、新古今和歌集、山家集、後撰和歌集、後拾遺和歌集、小倉百人一首等々の中から、月に関する和歌などを解説つきで紹介しています。その充実振りは目を見張ります。しばし古人の月想う世界を堪能してください。






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