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月の満ち欠けや潮汐力と釣果
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四方を海に囲まれた海洋国日本にとって、月が及ぼす潮汐力は、生活に密接な関わりを持つ重要な現象であったはずです。最近は魚群探知機など、漁もかなりハイテク化がすすみ、月の満ち欠けや潮汐を気にせず漁に出ることも多くなったと聞くが、よくよく話を聞いてみると、ベテランの漁師は昔の人の言い伝えなど巧みに取り入れ、それを活かしている、とも。
「現代人は朝4時から漁に出るとか言ってとかく自分の都合で漁をするが、海は満月の日、新月の日によっても、また潮の流れは一日潮、二日潮、三日潮・・・・十五日潮、晦日潮(すべて旧暦の日付)、というように毎日変わる。むろんその日の時間によってもまるきり違う。この辺をきちんと把握し漁をしなければ効率は全く違う」というのです。
例えば、満潮・干潮のサイクルは、毎日、平均で50分程度遅くなるので、満潮を狙う漁ならば、出かける時間も毎日数十分ずつ遅くなるはずだといいます。また、月の満ち欠けは太陽の位置関係とは全く無縁なため、10月10日に魚が釣れたから、来年の10月10日もまた釣れるかと思ったら大間違い。潮汐のリズムは月の満ち欠けに左右されるので旧暦の月日に合わせるのが一番効率が良い。
釣果は、月の満ち欠けやその影響で起こる潮の満ち干や潮の流れ、夜ならばその日の満ち欠けで変わる月明かりによっても「かなり変わる」というのが、釣り名人の言い分です。
一般的には大潮の日やその後の中潮の日が釣果が期待できる日取りといわれています。潮見表(潮汐表)は、各地で異なるので、以下のホームページなどでピンポイントの潮汐表を知ることができるので出かける前に調べておくと「今日はボーズだ」などと言わなくて済むかも知れません。
また、アウトドアや釣りをテーマにしたホームページも最近多くなってきたので是非参照して釣果を楽しんで頂きたい。
気象庁 http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/index.php
吉田産業海洋気象事業部 http://www1.ystenki.jp/
海釣り総合サイト http://www.saltwater.jp/
潮名表は財団法人日本水路協会 http://www.jha.jp
潮汐に関しては当サイトでも紹介しているので、参照してください。
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潮名とその目安 |
目安としてとしては、下記の表のように新月(朔)の日をはさんで3〜4日間が大潮、次に中潮が約3日ほどつづき、上弦の月の頃から3日程度が小潮、小潮あけに長潮、若潮とつづき、中潮となります。満月の頃から3〜4日ほど再び大潮となり、その後3日程度が中潮となり下限の月の頃やはり3日程度小潮となる。小潮あけに長潮、若潮とつづき中潮を迎え、新月に向かい再び大潮となります。 |
旧暦日付の目安 |
潮 名
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備 考
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晦日又は一〜三日頃 |
大潮
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新月の日をはさんだ数日間。月と太陽の引力が重なって干満差が最も大きくなる頃 |
四〜六日頃 |
中潮
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大潮と小潮の間の期間で次第に干満差は小さくなる |
七〜九日頃 |
小潮
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上弦の前後,月と太陽の引力が相殺されて干満差が最も小さくなる |
十日頃 |
長潮
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小潮の末期,満潮・干潮の変化がゆるやかでだらだらと長く続く状態 |
十一日頃 |
若潮
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長潮の翌日,潮の干満差が次第に大きくなる。このような状態を「潮が若返る」と言い、「若潮」と呼んでいる |
十二〜十四日頃 |
中潮
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大潮と小潮の間,さらに干満差が大きくなってくる |
十五〜十八日頃 |
大潮
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満月をはさんだ数日間。月と太陽の引力が重なって干満差が最も大きくなる頃 |
十九〜二十一日頃 |
中潮
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大潮と小潮の間の期間で次第に干満差は小さくなる |
二十二〜二十四日頃 |
小潮
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下弦の前後,月と太陽の引力が相殺されて干満差が最も小さくなる |
二十五日頃 |
長潮
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小潮の末期,満潮・干潮の変化がゆるやかでだらだらと長く続く状態 |
二十六日頃 |
若潮
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長潮の翌日,潮の干満差が次第に大きくなる。 |
二十七〜晦日 |
中潮
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小潮と大潮の間の期間で新月に向かって次第に干満差は大きくなる |
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潮汐と釣りに関する諺 |
●有明海の泥育ち
日本一の干満差を持つ有明海は、広大な干潟を作り、太陽の恩恵を受けて、様々な貝類や魚類を育てる。泥の中で育っても味は抜群。それを自慢した言葉です。
●磯釣りの上げ三分、下げ七分
下げ三分は干潮時から満潮にかけ、潮が満ち始めてから三分くらいの潮時。下げ七分は、満潮時から干潮にかけ、引き始めてから七分目くらいの潮時のことで、この二つの潮時に魚が活発に動き、よく釣れる。この現象を神奈川県葉山地方の漁師は、「潮がねじれる」というそうです。
船釣りの場合は
●上げ八分、下げ三分
その他にも
●大潮あとの中潮を釣れ
●上げっ鼻は釣りまくれ、潮止まりは昼寝しろ
●魚食わぬ間の釣り人弁当
●三月の子投げ潮
旧暦三月の大潮のときは、魚介類がよく釣れるから、乳飲み子が泣くのも構わずに放って磯に出るべしということ。
そういえば、エイプリルフールの語源の一説に「「4月の魚(ポワソン・ダブリル)」というのがあった。ポワソン・ダブリルとはフランス語で四月バカのことをいうのだが、4月になるとサバはどんな餌にも食らい付きバカバカ釣れるのだという。余り関係がないが、サバといえば慣用句に「サバを読む」というのがある。数や年齢などをごまかすことをさすのだが、サバは大変良く捕れてしかも傷みやすかったため、いい加減に数えたのが始めだったとか。
●月夜の蟹(俗説)
蟹は夜行性なので、月の明るい夜は余り餌を食べないので痩せている。また、蟹は月夜の頃に脱皮するが、その暫くは体が柔らかいので天敵の目を逃れ、穴に閉じこもっているから肉が少なく、味も劣る。
などがあります。
参考文献:『釣りと魚のことわざ辞典』(東京堂出版 二階堂清風著)
『旧暦と暮らす』(松村賢治・ビジネス社)など |
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