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2010.4.2(月暦:二月十八日)

エイプリルフール2010顛末記

 2010年のエイプリルフールには驚いた。
 実は当サイトのエイプリルフールを特集したページに3月30日ごろから4月2日にかけて桁違いのアクセスがあったのだ。感謝に堪えない。
 気ままに日記風に記してきたこのエイプリルフール特集記事を近く、「エイプリルフール考」とまとめることも必要かな、と思い始めた。

 それにしても、メディアや公の機関が仕掛けた話は余りない日本だが、ネット系ではエイプリルフールネタがますます加熱していたように感じたのは私だけだろうか。
 ネット系での匿名エイプリルフールネタの横行は余り感心していない管理人だが、これほど盛り上がると、日本でのエイプリルフールの定着が進むのではないかと、期待してしまう。
 「日本発エイプリルフール」が世界を驚かし、愉しませてくれる日も来るのではないだろうか? 私もおちおち出来なくなってきた。当サイトで仕掛けるかどうかは別にして・・・!

 嬉しいことに昨年「余りにもひどい現実の嘘に嫌気がさし、心温まるウソのような本当の話を紹介することにした」東京新聞がエイプリルフールを再開した。
 考え抜かれたエイプリルフールネタは、

 味はクロマグロ 姿はモグラ 「モグロ発見」

 ワシントン条約の締約会議で、大西洋・地中海産クロマグロの国際取引全面禁止の提案がなされた。否決されたとはいえ、クロマグロの乱獲と激減は重大な問題に代わりはない。日本は国際的な役割と重い責任を背負うことになった問題を巧みに取り入れたものだ。
 かろうじてモグロを捉えたというピンぼけの写真が何とも怪しげともリアリティがあるともとれるところがおもしろい。むろん、「本日はエイプリルフール この面はフィクションです」との但し書きはやむを得ないが、見開き左ページに「本日はエイプリルフール この面は本当の話です」というは、「なんだかなあ」と思うところであるが、この辺が今の日本のメディアが仕掛けられる限度なのだろう。

 ところで、2000年4月1日、東京新聞が仕掛けたエイプリルフール記事、
「きん」さん「ぎん」さんに、「どう」さんという妹がいた、というものにおもしろいデータを見つけた。見つけたと言っても同新聞が十日後に総括したものである。
 反響は二百数十件、抗議と批判が6割、賛同が3割、残りは事実確認だったとあった。
 この結果をどう見るか、
 真実の報道を旨とする新聞がこんな冗談を言うのはけしからんとさらに同調する人もいるだろう。
 無粋な人が六割もいるのか、と感じる人もいるだろう。
 さまざまな見方があるだろうが、賛同の反響が3割あったということに正直言って意外だった。
 だいたい、ことが起きた場合、批判的な人ほど抗議したり批判したりするものではないだろうか。おもしろがったり快哉と思った人はやたら新聞社に電話など入れないものだ、と思う。
 しかし、「本日の特報面の記事はすべて冗談です」というオチ付きであることを考慮に入れなければならないだろう。これがオチなしで掲載していたら結果はもっと違ったものになっていた可能性は・・・ある。いずれにしても、これがジャパンタイムズだったら勝利宣言を出すところではないだろうか。

 アンケートといえばもう一つ、2006年4月1日、朝日新聞にエイプリルフールのアンケートがある。
 欧米のメディアが仕掛けるエイプリルフールの習慣を好ましいかどうかを尋ねたところ、嫌い(30%)が好き(20%)を10ポイント上回った。
 主な理由は
「許される範囲がわからない」
「ウソを楽しむ上質のユーモアが日本人に根づいているとは思えない」
「ただでさえウソと建前だらけの日本、これ以上必要ない」などがあげられていた。
 しかし、一方では「ユーモアとは人間関係の潤滑油」という肯定派も少なくなかった。
 朝日新聞は、いかなる意図でこのアンケートを行い、その結果を今後どう活かそうと思ったかは解らない。

 とはいえ、日本のメディアには、もっともっと大きな覚悟をもって欲しいと思う。エイプリルフールの報道もどきで訂正記事やお詫びの記事を出すようでは、国際社会を勝ち抜くには余りにも心許ない。ましてや仕掛けたい気持ちがあるにも関わらず、読者の抗議を恐れて仕掛けずにいるメディアがあるとすれば、そのあり方はいかがなものか。
 無論、これは欧米のようにエイプリルフールを仕掛けるべきだと言っているわけではない。この件に関しては、改めて書かせていただくが、全体的に、表面的で刹那的な報道が目に付くと言うことだ。

 話は変わるが、1973年10月31日、朝日新聞の天声人語は、「ふとしたことで盗聴テープが手に入った。驚いたことに、先日の閣議の様子がそっくり録音されているではないか」とそのさわりを紹介した。
 最後まで読めばこのコラムが一級のジョークであることが解る。しかしこの天声人語氏に対して、当時の官房長官が抗議した。
「国民に重大な誤解と疑惑を与える!」
 無論、翌日朝日新聞は訂正記事を書いたことは言うまでもない。
 早速タイムズが反応した。「ジョークを真に受ける馬鹿。ゴルフ庁のジョークに怒る日本人」
 本来なら、この官房長官の抗議に対して
「国民はあなたと同じようにセンス・オブ・ユーモアに欠けている、とお思いですか?」
「国民はそんなにあほじゃない。馬鹿にするな!」と抗議をすべきところだろう。

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